ISO9001(品質マネジメントシステム)

商取引の急速なグローバル化に伴い、取引き先の品質保証能力が一定レベル以上であること推し量る基準として、ISO9001の認証が用いられてきました。ISO9001は、国際標準化機構(ISO)が世界的に統一された産業上の管理標準として制定した、企業の自主管理を基本にしたシステムです。これを実行することにより事業活動で生じる様々な課題を解決し,顧客に満足してもらえるようになります。
現在有効な2015年版の規格ではリスク及び機会への取組みに関する要求事項が強調されており、事業活動とISOの仕組みを融合させるシステムとなりました。

ISO9001はどんな規格?

ISO9001は製品・サービスの品質の良否を決める規格ではありません。顧客が求める一定の品質の製品・サービスが常に提供されるような仕組みを,作り、顧客と約束したことを果たすことにより顧客の満足を得るための規格です。
この規格を取り入れるなら、顧客要求を満たす製品・サービスを提供するための品質管理の仕組みを作り、それを継続的に改善し、顧客満足を向上させる事業準用が可能なマネジメントシステムを作ることができます。

取得企業の広がり

当初は大企業がISOの認証を取得しておりましたが,現在では中小企業も積極的にISO認証を取得しており,国内では50000社ほどが取得しています。業種も製造業,建設業を中心にサービス業も関心を寄せています。当社では建設業を中心に支援実績多数。もちろん,製造業やサービス業も支援実績が豊富です。審査員資格を持つコンサルタントが在籍していますので,どのような取り組みをすれば良いかについてもアドバイスできます。

企業経営へのISO9001のメリット

企業が、顧客の満足する均一な品質を常に提供できること(品質保証能力)を証明し、取引先、顧客から信頼感を得ることができます。
企業を取り囲む様々な状況からの影響を未然に防ぎながら、お客様が本当に満足していただける。

ISO9001の内容

やり方を決め、実行し、記録する
ISO9001の規格が求めていることは、「ISO9001が定めた管理の仕組みに対して、貴社では具体的にどのようにするか決めて行いなさい」ということです。
企業活動において、受注から製品製造、出荷までの手順やルールは、大企業は大企業なりに、中小企業は中小企業なりに「自分たちのやり方」を決めます。これを<標準化>といいます。
やり方を決めたら、それを統一するために、紙でも電子でもよいので見える化することが重要です。これを<文書化>といいます。
次に、決めたやり方をその通り実行します。これが<実行>です。
その結果を記録します。これが<記録>です。
「当社では○○について△△しており、それはここに決めてあります。これがその通り行った結果の記録です。そうして作られる製品/提供するサービスがこれです。」と具体的に示すことで、真にお客様の信頼を得ることができます。

ISO9001規格の要求事項
表1.ISO9001の要求事項一覧
条項番号 要求事項
4. 組織の状況
4.1  組織及びその状況の理解
4.2  利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.3  品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
4.4  品質マネジメントシステム及びそのプロセス
5. リーダーシップ
5.1  リーダーシップ及びコミットメント
5.2  品質方針
5.3  組織の役割、責任及び権限
6. 計画
6.1  リスク及び機会への取組み
6.2  品質目標及びそれを達成するための計画策定
6.3  変更の計画
7. 支援
7.1  資源
7.2  力量
7.3  認識
7.4  コミュニケーション
7.5  文書化した情報
8. 運用
8.1  運用の計画及び管理
8.2  製品及びサービスに関する要求事項の決定
8.3  製品及びサービスの設計・開発
8.4  外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理
8.5  製造及びサービス提供
8.6  製品及びサービスのリリース
8.7  不適合なアウトプットの管理
9. パフォーマンス評価
9.1  監視、測定、分析及び評価
9.2  内部監査
9.3  マネジメントレビュー
10. 改善
10.1  一般
10.2  不適合及び是正処置
10.3  継続的改善